皆さんはご覧になりましたか?
10月21日頃オリオン座流星群の活動がピークになると聞いて、私はいつもはさあ寝ようという時間から、眠い目をこすりながらいそいそと出かけました。
それで気づいたことがありました。
普段夜道を歩く時は、当たり前ですが暗いなあ〜、そして人気がなくひっそりしていると、なんだか不気味だなあと感じるものです。
ところが、この日のように天体観測をするにはまわりが明るいと、とても見づらくて困るのです。
せっかく月明かりの影響がまったくない最高の条件が整ったというのに、、、。
人間の心理というのはおもしろいもので、いつもは暗く感じる闇夜が、目的によってはとても明るく思えるのです。明るすぎる!みんな電気を消してさっさと寝ましょう!などと、勝手なことを考えてしまいました。
さて、そんなことを考えながらも次第に目も周囲の環境に慣れてくると、だんだん星がはっきり見えてきます。
そして後は主役の登場を待つだけ。
ところが、待てど暮らせど流れ星は現れません。
流星群というくらいだからシャワーのように星が降ってくるのを期待していたのですが、星たちは静かに一点に留まり続けています。
どれほど時間が過ぎたでしょうか?
ずう〜っと空を見上げていると背中や首がだるくなってきます。
ちょっと休憩しようと思って、持ってきたコーヒーの入った魔法瓶に手を伸ばそうと思った瞬間のことです。
シュ〜ッと頭の上を一筋の光が通り過ぎました。
おおっ!と思って頭を上げたときにはもう消えていました。
ほんとに一瞬のことです。
そこで思い浮かんだのは、
「見つめるナベは煮えない」という言葉です。
そしてもうひとつの言葉は、
「恬淡虚無 真気従之 精神内守 病安従来」
という中国最古の医学書「黄帝内経」の一節です。
どちらも、こだわりのないあっけらかんとした心、執着心を捨てた無欲な状態でいるならば、ものごとは自然の摂理に従ってうまく運ぶ、というような意味だと思います。
ほんとに昔の人はいいことを言いましたね。
われわれからすると永遠とも思えるほど遠い星から届く光を眺めながら、ちっぽけなことに心煩わせている小さな自分の存在を、ぼんやりと想っていました。
そのあとは結局、三つもくっきりきれいな流れ星を見ることができました(^_^)/
(残念ながら流星を写真に収めることは、私の技術では不可能でした。(>_<)* 上の写真はオリオン座方向の天空です。流れ星は写っていませんが、雲がオーロラのようで、とても神秘的でした)