風流人日記

医王整体院 院長のblog

新・新しい生活様式

 コロナ第7波の勢いが凄い。 このままどんどん感染経験者が増えてほとんど(何割かは分からないが)の人が自然に免疫を持つようになり、このウイルスによる疾病が人間社会に定着していくのではないかと思う。 

 新型コロナが安全だと言っているのではない。病気に安全な病気などない(意味はあると思う)。どんな軽い病気でもヘタをすると重症化して死に至る可能性はある。 つまり新型も含めて病気というものは自然現象の一つであるのだから、注意をしながらも共に生きていくしかないということだ。

 生老病死」の一つである病気も、地震や台風と同じように自然の営みの一つであるのだから、完全に排除することなどできない。 おそらくこれからも人類にとっては新しいウイルスや病気が次々と襲ってくるだろう。しかしその一つ一つは受け入れていかざるを得ないのだ。

 それよりも大事なことは、人間の行いの結果起きている自然環境の悪化を考えることだと思う。 二酸化炭素の過剰な排出、それによる環境の汚染、温暖化、戦争、、、、。 これらは原因が明らかである。自分さえ(人間さえ)良ければといういわゆる私利私欲が高じて他から搾取し、他を排除する。その結果、自分たちの住む場所を自分たちの手で汚し壊しているという愚かな行為だ。 なぜ人間はそのことに気づかないのだろう。

いや、気づいていても止めることができないのだろう。 どこまでも成長と利潤を追い求める資本主義経済というシステムの宿痾と言わざるを得ない。 このシステムから脱却しない限り、この問題は解決しないと思う。 いや、もはや解決しないなどと悠長なことを言っている場合ではないのだ。 このままではこの地球は人間どころか多くの生き物が住めない星になってしまうのだ。 愚かな人間のために、人間と共に絶滅してしまう動物もいれば、人類なんかよりももっと高次の生物が地球を支配する時代が来るかもしれない。 自分たちは万能だと思い上がっている人類が、実は地球上で最も愚かな生き物ということかもしれない、、、。 

 

 こんなことを考えていると、沸々と悲しみと無力感が湧いてくる。 でも悲しんでいるだけではいけない。自分たちの世代が仮に生き残れるとしても、次の世代の人たちにこのままの状態を引き渡さないよう行動を起こさなければならない。 どんな社会システムが環境を守れるのか、どんな生活様式にすれば地球上の全ての生き物の営みが持続できるのか、私には分からない。 おおよそ考えつくことは、自然は人間の都合に合わせてくれるほど優しくはないのだから、自然に合わせて生きることが正しいのではないかということだ。 大量生産、大量消費、大量廃棄という今のシステムを変えない限り、環境破壊は止まらない。

  それを止めることなど一人の人間がどんなに頑張ってもすぐにできることではないが、いま確実にできることといえば、人間の都合で作られた無駄なものを買わない、相手(人も地球も含む)の身になって行動する。 できる限り自然を破壊する行為に加担することをやめ、自然と調和した生き方に変えていく。 

 これくらいしか思いつかない。

 

誰でも自分は可愛いし、美味しいものを食べ、欲しいものを買 い、欲求を満たしたい。これを改めるということは、欲望との戦い、とても辛い修行生活のように思うかもしれない。 

 でも実際に自然に合わせた生き方をすることは、意外に快適かもしれない。それほどの禁欲的生活ではないかもしれない。  自然は災害など過酷なところもある反面、多くの恵みをもたらしてくれる。 そのことに気づき、自然の営みを尊重しながら生きていくと、よりたくさんの幸せを感じられるのではないだろうか。 

 人間とは習慣の生き物である。日々テレビで美味しそうな(季節外れもある)食べ物を見せられたり、これを毎日飲めば痛みがなくなるというサプリメントを大音量で勧められたり、この便利グッズがあると楽で快適な生活が送れますよと呼びかけられると、なんの疑問も持たず当たり前のことのように欲しく思ってしまうものだ。 でも今ちょっと立ち止まり、それがどんなふうに作られているのか、環境への影響はどうなのか、本当に必要かを考えることから、自分の消費生活を見直すだけでも、良い方向へ変化していくのではないだろうか。 コマーシャルという一種の洗脳で麻痺してしまった頭に、そんな違和感を感じる心を取り戻さなければならない。 

 新型コロナの感染が世界中に広まり始めた当初、頻りに「新しい生活様式」ということが言われた。 あれから2年半が過ぎてもコロナは収まる気配はないが、せっかくならこの際、ただ感染対策として生活様式を変えるのではなく、地球環境問題に対応する生活様式に変えることが必要なのではないだろうか。 つまり、過剰な欲望を抑え、自然に抗わず風流に生きるという生活スタイルに。

 体と心の健康に携わる立場から言えば、健康に過ごすということは、自然との調和を保ちながら暮らすことだと思う。