風流人日記

医王整体院 院長のblog

ビリケン的健康法

Biriken

 どうも今年は不安定な天候で大雨が降ったり竜巻が起きたり異常気象のようですが、それでも薫風香るよい季節になりました。

 ゴールデンウイークも雨の日が多かったですが、晴れた一日、長いこと関西に住んでいながら一度も行ったことのなかった通天閣のある新世界を訪れました。二度づけ禁止の串カツ屋さん、フグ料理、たこ焼きにホルモン焼きと、まあなんとも賑やかでパワー溢れる町でした。

 人々の目はどうしても間もなく開業を迎える東京のスカイツリーに集まりますが、大勢の人でにぎわう新世界は今年100周年を迎えたそうで、大阪のシンボル通天閣も東京に負けてはなるものかと誇らしげにそびえ立っていました。

 通天閣といえばなんといってもビリケンさんです。そのビリケンさんを見て思ったことを今回は書きます。

 前回、新しい食養生と題して糖質制限食を中心としたメタボ対策についていろいろ書きましたが、ビリケンさんを目の当たりにしてちょっと考えてしまいました。 

 ビリケンさんのお腹を見るとメタボなんていう言葉もなかった時代からの超メタボ、まさに元祖メタボリックシンドロームです。

 それでもビリケンさんはにこやかな笑顔でみんなの人気者。大人も子どもも、皆がそのふくよかな顔立ちと体つきに癒されているのです。

「メタボ?それがどないしたんや。メタボメタボと騒ぎ立ててるオマエの頭が情報でメタボになっとるんとちゃうか~!」とビリケンさんの目が語っているかのようでした。

 そうです、たしかに我々はさまざまな情報に振り回され、肥満は大敵、健康のため食べ物には十二分に気をつけなければならない、そう思い込まされているフシがあります。そりゃあ、無茶苦茶な食生活をして命を縮めることは良いことではありませんが、あまりに節制を極めてストイックになるのもいかがなものかと、ビリケンさんのあの柔和な顔を見て思ったのです。あまりに厳しすぎる生活よりも、笑顔でよっしゃよっしゃ、まあ適当でええやないかというほうが、健康的な生き方ではないのかと。その柔和さが自分だけでなく、まわりの人たちをも幸せにするのではないかと思ったわけです。

 じっさい高齢になると、ちょっとふっくらした人のほうが病気になる確率が低く長生きだというデータもあります。

 食養生の大切さを書いておきながら、今度はあまり神経質になるななんて言うと一貫性がないように聞こえますが、本当に大切なのは食事も含めた生活習慣全般、つまり食べ方、働き方、休み方など、生活すべてのことが複雑に関わり合って健康を保てるのではないでしょうか。それは体全体を調整する機能、すなわち自律神経系、免疫系、内分泌系の安定のためになにができるかということです。

 そういう意味では、きめ細かな食事の管理よりも、いかに楽しく美味しく食べるかということのほうがカラダに及ぼす影響は大きいのかもしれません。自律神経は免疫系、内分泌系とも深く関係し、感情ともつながりが強いからです。

 ビリケンさんのようににこやかに、おっとり構えていれば、多少お腹が出ていても元気に健康でいられるのではないでしょうか。

 まあ福の神ビリケンさんとわれわれ生身の人間は違うわけですが、生きている私たちは、いつもしかめっ面で自分に厳しくマジメ一辺倒でいるよりも、細かいことにこだわらず、ときに笑い、ときに泣き、ときに怒るという自然さとメリハリが必要なのだと思います。生活全般にわたってのビリケンさん的「ゆるやかさ」が健康を保つ秘訣かもしれません。

 その点、前回ご紹介した糖質制限食は、カロリー計算や厳しい運動など難しいことは必要はなく、米やパン、うどんなど炭水化物を制限するだけで無理なくダイエットでき、しかも健康になります。いくら一生懸命努力しても効果が見られなければ続けるのがしんどいですが、糖質制限食は比較的楽にできて、すぐに効果が表れます。お勧めする理由はそこにあります。

 糖質制限食を実行されると、それほどがんばらなくても、たぶんお腹はビリケンさんのようには立派にならずスリムになると思いますが、ビリケンさんのあのにこやかな笑顔だけは、ちょっとがんばって見習いたいものです(^ ^)