風流人日記

医王整体院 院長のblog

「こころとカラダにちょっといい話」100回目を迎えて

 このブログにアップする記事の中から抜粋した「こころとカラダにちょっといい話」というタイトルの小冊子を院内に置いて、来院される皆様に読んでいただいています。

 それがこの度100回目を迎えることになりましたので、お礼を兼ねて記念発行しました。

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 ひいき目に見ても、この世の中はいいことばかりではありません。これもその人その人の受けとめ方次第ですが、どちらかというと、苦しいこと辛いことの方が多いようにも思います。  でも、それだけでもないことも確かです。数字になど表せないと思いますが、10のうち一つか二つくらいはうれしいこと、楽しいこと、ああ生きていてよかったと思えることがあるような気がします(えっ、私はもっとありますよって? いいですねえ)。

 それは、友人や家族のちょっとしたひと言だったり、美しい風景に出会った時の感動や本で読んだ心に響く話だったり、見知らぬ人から受けた厚意であったり、、、。  そんな日常の出来事から得られる出会いや言葉や心を動かされる振る舞いが、立ち直るきっかけになったりすることがあります。

 それを糸口にいつもと違った考え方ができると、抱えている難題が違った見え方をしたり、世の中まんざらでもないな、と思えたりします。

 そこにたどり着くには、逃げないことが大切なようです。前向きで楽天的な考え方をするということは、決して前だけを見、苦しいことに背を向けて、楽な方へ逃げるのではないのだと思います。しっかり問題と向き合い、自分を見つめ直すとことから、自分の思考パターンやクセが見えてきて、新たな別の見方が浮かび上がってくるのです。

  辛くても、逃げずに苦しみと向き合い乗り越えなければ「楽」は味わえないのかもしれません。  現状否定という抵抗をやめたとき、自分(我)という強固な殻を破った時に、見えていなかった道に光が当たる、と言えるのかもしれません。

 

 ここに書いたことは、私がアトピーという苦い、いや痒い経験を通して感じたことや知ったこと、また日常のいろんな出会いの中で、友人からのアドバイス、先人たちの言葉、多くの本、患者さんとの会話などから拾い集めたものです。

 なかでも、患者さんが苦境から立ち直っていかれる姿からは、どんな立派な書物箴言よりも、私に大きな感動とヒントを与えていただきました。

 自分自身と向き合い、嘆き、葛藤し、もがき苦しみながら、果てしなく遠く思える出口を探す。「三歩進んで二歩下がる」という唄の文句がありましたが、それはまだよいほうで、ようやく一歩でも前に進めたかと思うとまた後退して元に戻ったりという、行ったり来たりの苦しい道のりを、こちらがなにも大したことをできなくても、自分の脚で 地道に歩んで行かれる姿に、私のほうが励まされ勇気づけられることがたくさんありました。

 人間は薄い氷のようにモロい存在でもあるけれど、奥深くには限りない可能性を秘めているんだなあと、改めて思うのです。 人間ってすばらしい!

 そんな私の感動体験が、みなさんにとっても、少しでも苦しみを乗り越えるきっかけ、楽を見出すヒントになればと願っています。

 

 お陰様でこの「こころとカラダにちょっといいお話」も今回で100回目を迎えました。数だけ見れば自分でも驚くほど長続きしたなと思いますが、根気もなくたいして文才もない私がここまで続けてこられたのは、様々なことを皆さんの体験から教えていただいたお蔭だと感謝しています。

 ブータンでは、自分の大切な人の幸せを含めて、初めて自分の幸せと捉えるそうです。

 一応これで100回目の区切りとさせていただきますが、まだまだ学びの道は続きます。これを最終回とせず100回目とし、こころを揺さぶられたり感動したことがあれば、その都度また書きたいと思っています。  これまで読んでいただいて、ありがとうございました。