風流人日記

医王整体院 院長のblog

変わるには何かをやめてみる

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 多忙につきしばらくお休みをいただいていました。と言っても、脳が機能停止に陥ったわけではなく、日々様々な考えが頭をよぎってはいました(なんの言分けにもなりませんが)。 
 むしろそれがなかなか文字にできない状況を作っていたのかもしれません。書きたいことは山ほどあるのですが、考えることがありすぎてまとまりのつかないことになっていたのだと思います(やっぱり言分けだ)。
 何れにしてもそれはあまり良い状態とは言えないかもしれません。
 先日いつも聴いている「健康川柳道場・しあわせの575」というラジオの番組で、師範が「多忙は体に悪い。脳を働かすのは50分が限度。疲労は脳からくるから上手に脳を休ませないといけない。」というようなことを話していました。そうしないといい川柳も生まれないようです。

 多忙な中でも久しぶりにこうして考えをまとめることができるようになったのは、実は「朝テレビをつけない」という習慣がしばらく続いたからだと思います。
 それまでも、できるだけ朝はバタバタしたくないので早起きして仕事にかかるまでの時間をゆったりとるようにしていました。それはまだほとんどの人が活動を始める前から起きて、静かなうちに脳内も含めて身の回りのいろんなことを整理する時間でした。
 でもそうは言うものの、結構朝の時間も瞬く間に過ぎていき、時間がなくなると朝ごはんを食べながらテレビを見て新聞を読むという荒技をこなすことも多かったのです。
 それがその一つのテレビをやめただけで、見違えるほどの余裕を感じられるようになったのです。それはそうですよね。なにしろテレビは画面を見なくてはいけないわ、音声も聞かなくてはいけないわ、ツッコミを入れるボヤく、CMが入ると今度は新聞に目をやるなどと、こうして書き出してみるだけでも大変なたくさんのことをしながら、口に入れたパンをコーヒーで流し込むなんてことをしていたのですから。単細胞頭の私には無謀とも言える難易度の高いことだったのです。

 そんなこれまで習慣化してしまって気づかなかった簡単なことを教えてくれたのは、「怒らない禅の作法」(枡野俊明著)とういう本です。怒りのコントロールを勉強しようと手にした本でしたが、意外なところで生活を好循環に導いてくれました。考えてみると、そもそもなぜイライラしたり怒りを感じたりするのかというと、やはり心に余裕がないからなのでしょうね。何があっても少し間を置くことができたり、相手の立場を考えて許すことができるのは、気持ちに余裕がなければできません。いつもイッパイイッパイの状態は、例えて言えば爆発寸前のパンパンに膨れた風船のようなものです。一触即発とはこのことです。
 朝テレビをつけないという習慣は、風船に余裕を持たせるための効果は大でした。必要な情報は新聞の中から自分で探せばいいのです。

 だれもが社会生活をしている限りは、日々様々な困難に遭遇します。そしてすぐには解決しないたくさんの問題や課題を抱えながら生きていかなければなりません。そんな状況でテレビをつけシャワーのように降り注ぐ余分な情報まで背負ってしまっては、身動きが取れなくなってしまいます。私の場合、テレビを消すだけでも本当に向き合わなければならない大切な問題が浮き彫りになり、それについて考える時間の余裕が生まれました。
 そうはいっても最後には解決できない問題を中腰のまま抱えていられる力も必要ですが、そんな風に自分で選び抜いた問題は、そうでないことに比べて持ちこたえられるものだということもわかりました。
 そして何より、ちょっと怒りの回数も減った気がします。枡野先生ありがとうございました。