風流人日記

医王整体院 院長のblog

書くこと

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 近頃もの忘れがひどくなった、とよく耳にする。耳にする私もその一人であるから、「そうそう、ほんとに困ったもんですね」と答える。

 本気で覚えようとするときはメモ用紙やノートに書くことにしてる。

 だいたいテレビで聞くどうでもいい情報や、ちょっと調べてみようと思ってインターネットで仕入れた情報などは、その場限りで、すぐに忘れてしまう。

 笑い話だが、インターネットなど、調べているうちに別のことに興味が移ってしまい、何が調べたかったのかということすら忘れてしまうことがある。こうなれば、もとの疑問など迷宮入りだ。

 これは忘れてはならない大切な情報だと思ったら、昔ながらのやり方で、本や辞書で調べて書き残すに限る。

 書くという行為は、その指先を動かすという動作そのものが脳を刺激するのだろうか。書きながら深く考えることが多い。書くという時間がかかる行為が、ゆっくりその疑問に取り組む時間を確保しているのだろう。

 目や耳から入る情報をただ脳に伝えるだけでなく、そこに書くという身体活動が加わるだけで、その吸収がずいぶん深まる気がする。

 世の中に洪水のように溢れる情報をどう選択していくかということは現代人の大きな問題だと思うが、書いて残したいと思うほどの情報こそが自分にとって大事な情報で、書き残すこともなくその場限りで忘れてしまう情報は、それほど重要ではなかったと思うことにしている。

 それでも、もともと出来のいい立派なオツムを持ち合わせていないから、書き残したところで、書いたことすら忘れてしまうのである。

 だから、大事なことを書いたノートをときどきまとめて読み返すことにしている。

 そうすると、書いた時と今とではまた自分自身の興味の対象や考え方が変わっていることがあるから、別の角度から考えてみたりして、とても理解が深まる。

 そうしてようやく自分のモノとして、「使える情報」になる。