風流人日記

医王整体院 院長のblog

「行き当たりばったり」のすすめ

090428p3025 気温が上がり、ビールの美味しい季節になりました。なにを隠そう私は無類のビール好きです。夏だけでなく一年中飲んでいます。いや別にビールしか飲まないという訳ではなくて、日本酒も焼酎もこよなく愛しているのですが。なに、結局ただの酒飲みですね。
 まあそれはさておき、ある日仕事が終わってビールを飲もうと冷蔵庫を開けたのです。そしていつも冷やしてある場所に手を伸ばして、正直に言うとビールではなく、いつもの発泡酒を取り出しました。すると横から「ビール冷やしてあるよ」と、妻の声。自分で冷蔵庫を開けて中を見ているのに、そのビールの存在に気づかなかったのです。そのビールは特に目につきにくいところに冷やしてあったわけではなく、むしろいつもの発泡酒よりもずっと目につきやすいところにあったのですが、、。
 あれっ?と思いました。なんで目の前にあるのに気づかなかったのか?
 まさにこれこそが、「思い込み」「先入観」ですね。いつものようにここにあるという思い込みが、それしか見ないという過ちを犯すのです。

 人は目標を定めると、それに向かって一目散に駆け出します。脇目もふらず。
この脇目もふらずというところがクセモノなのです。目標をひたすら追うあまり、ほかのものに目が届かないのですね。これはよく考えると恐ろしいことであり、もったいないことです。
 みなさんもそんな経験ありませんか?たとえば探し物をするとき。探しているモノはきっとここにあるだろうという思い込みが邪魔をして、とても分かりやすい所にあるのに、思ったところばかり探していてなかなか見つからないなんてことが。

 だから、目標はあまりきっちり決めない方がいいんじゃないか、と思うのです。
いつもの発泡酒を早く飲みたいと、それを目がけて一目散に突っ走るのでなく、今日はなにか珍しいものでもないかなあと冷蔵庫全体をキョロキョロするほうが、もっと別のナニカイイモノが見つかる可能性が高いわけです。別にビールがよくて発泡酒が悪いと言っているのではありません。酒飲みの戯れと思われるかもしれませんが、ビールだけの話じゃなく、いろんな場面で同じことが言えるのではないでしょうか。
 普通「行き当たりばったり」という言葉はあまりいい意味では使われませんが、そんなたわいもない出来事(私にとっては大事件)から、「行き当たりばったり」こそが、何が起こるかわからない人生を楽しむ秘訣なんじゃないかと思ったわけです。
 あまりにも目標をきっちり細かく定めていると、その途中にあるたくさんの魅力的なことを見逃してしまう恐れがあるということです。

 それは結局、結果ばかりを期待するのでなく、道すがらを楽しんだほうがいい、ということではないでしょうか。つまり、結果という未来のことばかり考えているのではなくて、そこに至る道中の一瞬一瞬、「いま・ここ」をじっくり感じ味わうこと。
 目標に向かって脇目もふらず、髪は振り乱し、まなじりを吊り上げて突っ走っている人よりも、どんな「今」にも全力を注いで生きている人のほうが、楽しく輝いて見えるのではないでしょうか。まださほど計算高くなくて、結果なんか気にしないで無心で遊ぶ無邪気な幼い子どもを見ていると、きっとそうなんだと思います。

 こうして、その場しのぎで計画性のない私の生活ぶりを正当化するかのように書きながら「行き当たりばったりのすすめ」なんておかしなことをすすめましたが、決してみなさんにそれを強要するわけではありません。もちろんきちんと目標を定め、計画的にしなければいけないこともたくさんあります。しかし、時には「行き当たりばったり」くらいの気持ちでいる方が楽で、いろんな楽しみに出会うチャンスが広がりますよ~というご案内程度に受け取っていただくとうれしいです。