風流人日記

医王整体院 院長のblog

腰痛の治療法

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 前回はお正月ということもあり、新年にふさわしいことを書こうと思って腰痛のお話は少しお休みさせていただきました。

 さて腰痛の話題に戻りましょう。前々回書きましたように腰の痛みのほとんどは構造上の問題ではなく、筋肉がこわばり、その部分に発痛物質が出ている状態ですから、治すには筋肉のこわばりをなくし、発痛物質を取り除かなければなりません。

 その方法は様々あります。「これしかない」というものはありませんし、どれがいいかは一概には言えません。しいて言うならば、どれとの相性がいいかどうかだと思います。大事なことは、治療者との信頼関係が築けること。治療そのものに本人が納得できること。一回の治療で全快することは稀ですから、数回通うことができるかどうか。そして最後に、納得がいったこの療法で治すという意志。

 どれを選ぼうと、最後に力を発揮するのは自分の中の治癒力なのですから、、、。

 これらのことが重要なポイントだと思います。

 そんなことをふまえた上で治療の方法をご紹介します。

 まず病院や医院で保険治療ができるものとして、トリガーポイントブロック注射があります。トリガーというのは「引き金」という意味で、トリガーポイントは、そこが痛みの引き金になっている所ということです。その箇所に少量の麻酔薬を注射するものです。注射自体はそれほど痛いものではなく、即効性もありますが、まだこの治療法に理解あるお医者さんや病院は少ないようです。この治療は痛みの現場の発痛物質を洗い流すと同時に、痛みの感覚を和らげる効果があります。

 次に紹介するのはいわゆる東洋医学の範疇に入るもので、昔から広く行われてきた治療法です。鍼灸、按摩、整体など伝統的な手技療法があります。

 これらは、カラダを巡る「気・血・水」の流れを整え、誰にも本来備わっている自然治癒力を活性させます。痛みの原因である発痛物質は、血流が良くなると老廃物として血液に洗い流されます。また気血の巡りが良くなることで酸素や栄養分が傷んだ箇所にも行き渡り、患部の改善を早めます。

 西洋医学と東洋医学の違いはありますが、先に書きました「トリガーポイント」と「ツボ」は一致することが多いのです。気の滞りがあるとその部分がエネルギー不足に陥ったり、流れが悪くなって老廃物が溜まりやすくなり痛みが引き起こされると考えられます。それが「ツボ」であり「トリガーポイント」ということになります。

 以上、治療法を簡単に書きましたが、いずれも経験が必要な治療ですが、それほど複雑で難解な治療法ではありません。手法は様々ですが、要するに痛みを感じている部分に直接作用するような手当と、根本的な原因である「気・血・水」の滞りを取り除く全身的なものからなります。痛みが伝わる途中に障害があるから、その部分を治すなどという「ヘルニア理論」は、話を難しくしすぎているような気がしてなりません。腰痛はそんな大袈裟な手術よりも、もっと単純に「痛いところに手が届く」やさしい手当のほうが実は効果があるのです。

 手当や治療は英語でトリートメントと言いますが、トリートメントっていうと、ヘアトリートメントっていうのもあるように、なんだか髪にもカラダにも優しいという感じがしませんか。

 人は往々にして目に見えるものにばかり気持ちが行ってしまいがちです。ですから検査でヘルニアが見つかると、どうしてもそこに目が行き、気になって仕方ありません。しかし、前回も書いたように、ヘルニアが神経を圧迫して痛みを出すなどという生理学は存在しません。痛みは目に見えず筋肉の中にあります。筋肉の状態を改善させれば必ずよくなりますから安心してください。そして、怖れずにできる限り動きながら日常生活をしてください。筋肉を動かさないと、ますます発痛物質や老廃物は溜まります。

 あまりに痛みが強くて日常生活もままならない時は、先に書いた中から自分に合う筋肉をケアする治療を選んでください。