多摩動物公園で、晩酌セラピーでチンパンジーのボスが復活した、という記事が新聞に出ていました。
チンパンジーの社会ではボスと言えどもそれほど大きな権力はもっていないそうです。
主な仕事はけんかの仲裁など、群れの平和と秩序を守ること。
なんだかその努力を考えると、涙ぐましいですね。
それだけに気を使うことも多くて、ストレスも大きいのでしょう。
そのボスがとてもしょげ返った時期があったそうです。
下痢が続き、薬を飲ませても治らず、けんかが起きても気づかぬふりをしたとか。
深刻なうつ状態です。
ある夜、飼育係の方がウイスキーの蜂蜜湯割りを作って、ボスと差し向かいで飲んだそうです。
上司に叱られながらも、2ヶ月それを続けると、堂々としたボスが復活したというめでたい話です。
おかげでボスは41歳で死ぬまでに30子を残し、それは国内の子だくさん記録だそうです。
飼育員さんの、なんとかボスを元気づけたいという愛情と、そのための奇抜な発想もすばらしいけれど、やはりお酒には魔法のような力があるのですね。
まあ無論飲み過ぎはいけませんが、適度に飲み、凝り固まった脳と心をほぐすことは、どんな薬にも勝るのかもしれません。
またそれ以上に、たとえ檻越しであろうとも、言葉は通じなくとも、共に同じ場にいてくれて、気にかけ見守る飼育員さんの心がボスに伝わったのでしょう。
きょうは微笑ましい記事を紹介するように見せて、実のところ毎夜晩酌セラピーをしている酒飲みの自己弁護でした。