風流人日記

医王整体院 院長のblog

騙されないチカラ

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 フェイクニュースなどと偽物のことをわざわざ「フェイク」と英語で言うようになりましたが、本物・偽物という言葉があるということは、昔から世の中には本物以外に偽物がそこそこ幅を利かせていたということでしょうね。そういえば、偽物のブランドバッグとか時計が流行した時期もありました。まあそれはそれで「わたし別に安ければ偽物でもなんでもいい」という人もいるくらいですから、本人さえ納得していれば、騙されたということにはならないのでしょう。

 しかし、国の運営を任された政治家や官僚が嘘をつくのは困ったことですし、大手企業がデータを改ざんしたり不正が目に余る世の中、いったいわれわれは何を信じればいいのかと戸惑ってしまいます。

 

 人は自分のカラダに変調があるとやっと本気でそのことについて勉強し始めます。健康なあいだはテレビなどでいかにいい加減なことを言っていても、ああそうなのかと気楽に聞いているだけで、疑ったり真剣に考えることはそれほどありません。健康だからそれを試すすべもないのですが、逆に言えば健康な人の不安を煽って何かを売ろうとする策略に載せらるということも考えられます。

 

 いずれにしても、情報の真偽を見極める能力が必要です。それもできるだけ健康なうちに。病気になってしまってからでは遅いこともありますから。

 まんまと引っかからないために私が基準にしていることは、

① 無料あるいは極端に安いものには近づかない。

②良い点だけしか言わないところは信用しない。

③自信たっぷりに言う人を信用しない。(世の中に絶対というものはありません。絶対に!)

④それをした場合、使った時のことを想像してみる。

⑤一つの意見や考えだけに注目せず、幅広く様々な方向から情報を集める。

⑥あとは勘を働かせることでしょう。

 まあこれも確信をもって言うわけではありません。むしろ私は自信がありませんから、何事もまず疑ってかかるようにしているだけです。

 

 思想家の内田樹さんの、ある大学の新入生への講演を聴く機会ががありました。「学校で何かを学ぶなかで一番大事なことは、騙されない力を身につけること」と話されて、私は目から鱗が落ちる思いでした。社会に出て生きていくために必要な専門知識を身につけるのが大学教育だと思っていましたが、もっと基本的な深いところで一番大切なことはそういうことかもしれません。

 学校の教室の中で学べることはそう多くはありません。私自身の経験からも、むしろ教室の外での友人との対話や、クラブ活動、アルバイト先での人間関係を通して学ぶことのほうが多かったように思います。おそらく内田先生の言葉は、学校の外でのことも含めて幅広い場で様々な体験を通して、自分の頭で考え、自分の身を守るすべを身につけなさい、という意味のことだと理解しました。

 そんな一つ一つの実体験が勘を働かせ、直観的にものごとの真偽を見極める力を育むのでしょう。幅広く情報を集めることも大切ですが、それ以上に実際に自分で体験し肌で確かめることのほうが、この情報化社会を生きる上で大事なのではないでしょうか。テレビやネットでただで手に入る情報は、よくよく確かめなければなりません。