風流人日記

医王整体院 院長のblog

歪んでますか?

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 「カラダが歪んでいると言われるんです。診てもらえませんか?」とおっしゃる方がよくいらっしゃいます。

 歪んで見えるのは背骨が曲がっていたり、骨盤の位置が狂っているからでしょうが、ほとんどの場合、原因はその骨を支えている筋肉にあります。筋肉の部分的な緊張や、それによる全体のアンバランスです。ですから、筋肉の調整でその人本来の正常な骨の位置に戻っていきます。

 歪んでいるけれど痛みはないという方もいらっしゃれば、痛みがあって、それは歪んでいるせいだと考える方もおられます。でも歪んでいるから痛いのではありません。筋肉に異常な緊張があるために痛みや違和感がある場合がほとんどです。

 そして、痛みを避けるように痛みが少なくなる方向にカラダを歪めているのです。

 患者さんが訴える痛みなどの症状は、ほとんどの場合、歪みや変形(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄も含む)に関係なく治ります。

 整体の目的は、筋肉の緊張をゆるめ、神経系の興奮を抑えて、気・血・水の流れを調えることです。それによって痛みや不快感が取れるということはつまり、カラダの歪みや変形は結果であって症状の原因ではないということです。

 見落としてはいけないのは歪みや変形よりも、それを招いている筋肉の状態なのです。

 筋肉のトラブルは運動不足や逆に使い過ぎ、食事、睡眠の状況、過労、ストレス、,,等々、原因は日常生活の中に数えきれないほどあります。言いかえれば、特別大きな怪我をしたりしないかぎり、歪みの原因は機械的なハードの問題でなく、ソフト(機能)の問題、つまりカラダの偏った使い方や生活習慣、そして様々なストレスや不安などの感情と、それにともなう自律神経の変調による筋肉のトラブルなのです。

 本来、人にはそんなバランスの崩れたカラダを正常に戻す力が備わっています。いわゆる自然治癒力といわれるものです。

 しかし度が過ぎると、その治癒力も限界を超えます。

 そうならないために、みなさん日頃から使い過ぎたカラダを休めたり、様々な運動をして健康を保っておられるわけですが、気功もそのひとつです。気功はカラダの隅々にまで意識を向け、呼吸を通じて一つ一つの細胞に気が流れ血が流れ新鮮な酸素が行き渡るようにするための実践方法です。

 いい呼吸をするためには、しなやかなカラダでなければなりません。力が抜けずに緊張したままのカラダでは深い呼吸はできません。整体はそれを助けるきっかけ作りと言えるかもしれません。だから、歪みを治すのが目的ではなく、筋肉をゆるめ関節の動きをよくすることによって楽な呼吸ができるカラダにすることが整体の目的なのです。そうすることによってカラダがしなやかさを取り戻すと、結果的に痛みが取れて、歪んだカラダが元の生き生きとしたまっすぐなカラダになるのです。

 「歪んでいる」というのは一部分だけを見る固定的な発想です。大事なことは呼吸や「気・血・水」という全体の流れや、各臓器の繋がりといった流動的な変化なのです。 その流れや繋がりを正常にすることで、筋肉が固くこわばってまってしまって元に戻らなくなっている骨が、自然に元に戻るのです。