体質改善

　患者さんからよく受ける質問に、前にもダイエットで書いた「やせるツボってあるんですか？」と並んで「整体で体質を改善できますか？」というのもよく聞きます。
　疲れやすかったり胃腸が弱かったり、いわゆる虚弱体質を変えたいと思っておられるのだと思います。そういう時には、「体質を変えるのではなく、まだ眠っている能力を目覚めさせてあげれば、元気で健康なからだになりますよ」と答えています。
　人の遺伝子は９９％同じだと言います。皆ほとんど同じものを持って生まれてくるわけです。しかし、その持って生まれた遺伝子のすべてが目覚めているわけではありません。その人の目覚めている部分が、からだの傾向としての体質ということになるのでしょう。

　眠っている遺伝子は、じっとしていても目覚めません。なにかの刺激が必要なのです。また、せっかく目覚めようとしている遺伝子の邪魔をするものがあるはずです。それが、生まれて以来の生活環境や体験、それによって培われた考え方のパターンなのではないでしょうか。いつも同じからだの使い方、同じ思考の仕方をしていると、それらに関係する神経ネットワークは強化されますが、それが弊害となってなかなか眠っている新たな遺伝子が目覚めないわけです。
　ですから、今までの生活パターンや考え方のクセに気づくことが大切です。そして同じことをするにしても、いつもと少し違ったやり方や考え方でやってみるのです。そうすることが、いつもと違うからだの部分を使い、それが脳細胞の新しいネットワークをつくりだしたり、眠っている遺伝子を呼び起こすことになるんだと思います。
「変える」というと大変なことのように思えますが、変えるのではなく、それは現状のままでも、そこに新しいものをプラスするという考え方のほうが楽なんじゃないでしょうか。
せっかく素晴らしいものを持って生まれているのに、使わないとMOTTAINAIじゃないですか。