風流人日記

医王整体院 院長のblog

右から来たものを左へ受け流す〜

4q3e4gmh いま巷では「右から来たものを左へ受け流す〜」という歌が流行っています。(えっ? 今頃そんなこと言ってるなんて遅れてるって? そんなこと言うとムーディー勝山さんに叱られますよ! まあ、紅白歌合戦には無理かもしれませんが、まだ私の中ではブームなんですから)
一番最初に聞いたときは、まったく何をいっているのかわかりませんでした。きっと最後まで聞けば納得するだろうと待ってみても、結局言ってるのは終始この「右から来たものを左へ受け流す〜」だけなんですね。
あまりのバカバカしさに(ムーディーさん、またまた失礼! あんなに真剣に歌っているのにねえ)、私は笑いが止まらなかった。もう笑うほかないのです。
おそらく皆さんも同じように、いったい右から何が来たのだろう?そしてその来たものはどうなるのだろう?と、期待を持ってこの歌を最後まで見守っていたに違いありません。人の心をつかむコツは、最初から答えを言わないで「えっ、なんだろう? どういう展開になるのだろう?」と期待を持たせることです。でも最後までこの歌はこのフレーズに終始する。しかも歌っている本人は白いタキシードの正装でニタリともせず、ド真剣な顔で歌っている。そこのところがバカバカしくも可笑しいこの歌の真髄じゃないでしょうか。最後に「ああ、この鳥取砂丘」というのがまたナンセンスでいいですね。

いや、今日は別にお笑いの評論をしたくて書いているわけではないんです。
この「右から来たものを左へ受け流す〜」ということは、ひょっとしてこのストレスフルな情報氾濫社会で生きていくひとつのヒントじゃないかと思うのです。
この世の中、生きている限りそれこそ様々なことが右からあるいは左から現れます。そして、その都度こころを持つ我々のなかでは自然にいろんな感情が生まれます。
喜びを感じることもあるでしょう。とっても幸せな気持ちになることもあるでしょう。しかし、現実は辛く苦しい思いをすることの方が量としては多いのではないでしょうか。そして、そんな感情をいつまでも抱えてしまって、そのことにこだわって自分自身を苦しめてしまいがちです。落ち込んでいると、人からもっと前向きにとかポジティブにとか言われ、そんなネガティブな感情を持つ自分をさらに責めてしまいます。

でも、ネガティブな感情を持っていることは自然なことなのです。心に浮かんでくる感情自体は善くも悪くもないのです。だからそんな感情を持っていることを、それでいいんだと自分で受け入れることが大切です。あるがままの自分の心身の状態を、そのままでよいと自分で受容することです。そうすると、身体に余分な力が入っていない状態、つまり「身体がひらかれている」状態になれるのです。こんなひらかれた身体の状態でいると、怒りや不安が身体に停滞することなく通り過ぎてしまうんじゃないでしょうか。右から左へ。

写真の犬はときどきここにも登場しているうちの犬ですが、見ていると、犬はそんな「右から来たものを左へ受け流す〜」生き方をしているように思えます。もちろん犬にも感情があるし、過去の出来事を少しは憶えもしています。しかし、生まれた感情を二次的加工しない、つまり生まれた感情を大きく膨らましたり、それについて悩んだりはしません。出来たての感情を大きくも小さくもせず、そのまま記憶しているだけです。そして、過去の出来事を思い返して嘆いたり、先のことを心配したりもしません。別に犬のようになりなさいと言っているわけではないのです。そんなところを見習って生きると、少し楽に生きられるんじゃないかと思うわけです。