風流人日記

医王整体院 院長のblog

腰痛と生活習慣

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 腰痛の話の第3回目になります。これまで腰痛の原因や治療法について書いてきました。そのなかでも述べたように、腰痛は痛みのために日常生活を不自由にする大変困ったものですが、特別変わったことではなく、誰もが一生のあいだに何度か経験するありふれた病気です。痛みで苦しんでいる方に「ありふれた」などというとお叱りを受けるかもしれませんが、ほとんどの腰痛は手術など大掛かりな治療を必要とせず、筋肉への適切な手当と日常の生活習慣の見直しによって改善できます。

 そこで今回は自分でできる予防と痛みの緩和について考えたいと思います。

 われわれ人間の体重の半分近くは体を動かすための骨格筋です。骨格筋が順調に働いてくれるからこそ自由に動けるわけですが、その筋肉は使い方によって痛みが出たり衰えたりします。使いすぎても筋肉痛になりますが、大事にしすぎて動かないのもトラブルの原因です。

 腰痛に限らず、関節と関節を動かす筋肉の痛みは、東洋医学的にはカラダを巡る「気・血・水」の流れが滞ることによって起こると考えます。カラダの各関節は構造的にも複雑であり、特に「気・血・水」が滞りやすい部位です。 関節にとっての大敵は「気・血・水」の巡りを悪くする「冷えと運動不足とストレス」です。

 ではまず、なぜカラダが冷えるのかを考えていきましょう。カラダを冷やす要素としては、外からと内からの冷えが考えられます。外側からの冷えは寒い冬に限ったことではありません。いまはエアコンが普及し、夏でもカラダが冷える機会が増えました。自分の家ではエアコンの温度を調整することもできますが、乗りもの内やオフィスにいてそれが難しい場合は衣服で守らなければなりません。その際気をつけたいのは、熱が逃げやすいポイントを押さえておくことです。それは首まわり、ひじの内側、ウエスト、膝の裏、足首などです。へそ出しルックやナマ足はあまり感心できないファッションですね。

 内側からの冷やすものとしてまず考えられるのは飲食物です。特に冷たい飲み物は食べ物より量的にもたくさんカラダに入りますので注意が必要です。

 食品もカラダを冷やす性質のもの、暖める性質のもの、また潤すもの、余分な水を取るものがありますので、片寄りなく食べることが大切です。食生活についてはまた別の機会に詳しく書きたいと思っています。

 もうひとつカラダの冷えを生む大きな原因は運動不足です。筋肉は活動することによって熱を生み出しますから、動かすことが足りなかったり、無理なダイエットで筋肉まで痩せてしまうと、熱が生まれにくくカラダが冷えてしまいます。ですから、できるだけ便利な機械や乗り物に頼らず、十分カラダを使う必要があります。痩せるために片寄った食事をしたりして大切な筋肉まで落としてしまうのもよくありません。

 運動不足や筋肉がやせることでカラダが冷えていると、せっかく栄養のあるものを食べても、熱が不足しているために栄養分を乗せた血の流れが悪くなり、カラダを潤す水分も滞りやすくなります。

 また、ストレスなどで気分が落ち込みふさぎ込んだりすると気が滞り、カラダの熱を閉じ込めるため水を煮詰め、血の流れも悪くなります。運動や気分転換で上手にストレスを発散することが大事です。

 このように、腰をはじめとしてあらゆる関節は動きの要ですから、スムースに動くためには十分な栄養と潤いがなくてはなりません。

そのためには、よく体を動かし、冷えを防ぎ、気持ちを明るくすごすことで「気・血・水」の流れを順調に保つことが大切です。