風流人日記

医王整体院 院長のblog

人は自分の思考の中に独りでいる

Lfxbqly3  私は治療の中にできるだけ“会話”を取り入れるようにしています。
 身体への施術もコミュニケーションの手段のひとつですが、会話ーーーとりわけ聴くことがとても重要な要素であると思っています。
 聴くことによって、患者さんと治療者双方に、苦しい症状への解決策だけでなく、いろんな知恵が生まれます。
 もちろん、話す方が自分の内に抱えている様々な悩み・苦しみを吐き出すことによって、重苦しい気持ちが軽くなるという効果も期待できます。
 まあしかし、お互い人間同士です。なかなか教科書通りにはうまくいきません。私など、聴いているつもりでも、ついつい自分の立場を忘れて自分の主張をなんとか伝えたいという欲求で頭が一杯なのが現実です。ああ今日はしゃべり過ぎたなあと、反省の毎日です。
 そんな時、いつも下に載せたことを思い返すようにしています。


 私たちは、日常的に多くの人々とかかわり、コミュニケーションをはかっているが、実際にその人たちと“一緒にいる”ことは、実は少ない。
 多くの時間、自分の思考の中に独りでいるものなのだ。
 判断、評価などの行為によって、相手への注意は散漫になりがちで、相手の話を聞いていても、耳を傾けず、自分の思考の中で湧き起こってくる考えによって、入ってくる情報を選択し、振るい落とそうとする。
 しかも、そのプロセスに人はなかなか気づきにくい。
 特に知的といわれる人にとって、自分の思考に固執せずに柔軟に対応することは、もっとも難しいことだ。

 柔軟性のある人間は、首尾一貫や初志貫徹にこだわることなく、そして自分が変わることを恐れることなく、最良の結論に納得することができる。
「愛と癒しのコミュニオン」鈴木秀子