風流人日記

医王整体院 院長のblog

楽になるためのオイシイ話はない

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 前回「なまけものの怠け論」なんていうややこしい話を書いたら、本物のなまけものになってしまったようで、今月の投稿が大幅に遅れてしまいました。

 気がつけばもう一月も終わりに近づいていますが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。と、遅ればせながら一応年初のご挨拶をさせていただきます。

 さて、今回は楽になるためのオイシイ話はない、という話です。

 誰もが「どうしたら楽になれるか」という話にはすぐに飛びつきます。だから、テレビでも雑誌でも、そういう話題が多いですね。TVのCMや新聞広告も健康食品類の宣伝がこのところ急激に増えているような気がします。

 ところが、誰にでも効くそんな上手い話なんてありません。なかにはそれがある人にはぴったり合って上手くいくこともあるかもしれません。だからこそ、世の中に星の数ほどの様々な健康法や健康グッズがあるのでしょうが。

 でも、健康食品や健康器具などで簡単に身体の状態が良くなることなどまずないと考えておいたほうがいいでしょう。

 楽になったり健康でいるには、やはりそれなりの努力が必要です。

 身体には本来、健康でいられるように優れたシステムがプログラムされています。ですから、どんな努力が必要かと考えてみると、からだの自然のプログラムに従う努力をするということじゃないかと思うのです。不自然な生活をできる限り自然の摂理にそった生活に変える努力です。自分の外の楽になりますよという安直な情報に振り回されずに、内なる自然の力に目覚め、それに身を任せることです。

 たとえば、伝統的な食文化を大切にし、頭で空腹を感じて食べるのではなく、からだの要求に従う。自然界のリズムに合わせて生活する。便利さに甘えず、できるだけからだを使う。なぜかというと、そうすることでからだの機能は上手く働くようにプログラムされているからです。

 犬や猫はおそらく「頑張る」なんてことはしないでしょうから(してたらゴメンね)、もっぱら自然のまま自由に動き、自然の力に身を任せているわけです。がんばって長生きしようと考える犬はたぶんいないでしょう。苦しいから早く死にたいと思う犬もいなければ、自殺する犬もいません。彼らは頭脳が発達していないからと言ってしまえばそれまでですが、悩んだり隣の犬と自分を比較したりはしません。

 翻って人間はどうかというと、自分を大事にし過ぎるかと思えば乱暴に扱ったり、せっかく与えられた命にも関わらず粗末にしたりします。自然に抗い、他人と比較し、どこまでも貪欲に生きています。

 それでは、せっかく身体に備わっている力にも気づかず、身体の側も本来の治癒力を発揮できなくなってしまいます。

 数ある健康法も、メディアが発信する情報に踊らされるのでなく、実際に自分で試してみて、からだが喜ぶものを実行していきましょう。

 まずなぜ?と疑問を持ち、自分の生活と身体に必要かを考え、そして本当に足りないものを補うようにします。

 人の身体が持つ機能は、外から便利さと簡単さで力を貸しすぎると、怠け衰えてしまいます。からだ本来の力を発揮させるには、活躍の場を与えなければなりません。そうすると、俄然やる気を出して、せっせと働いてくれます。

 それでもときどき、からだは疲れて働きが悪くなったり、故障したりします。そんなときも、少しゆっくりからだを休めて、薬など外からの援助は最小限にするほうが、からだの回復力はでてきます。

 結局、手軽に楽になる方法とは、責任は自分自身にあるのではなく、別のところにあるということを証明せんがためのものですから、本当に楽になることなどないのです。仮にそれによって楽になったと思っても、それはおそらく思い過ごしでしょう。自分自身はなにも変わっていないのですから。

 楽になるため、健康でいるためには、やはり自分自身で感じて、内面からなにかを変えていかなければならないのではないでしょうか。