風流人日記

医王整体院 院長のblog

気功入門

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 いつか気功について書いてみたいと思っていたのですが、奥の深い気功の話はそう簡単にまとめることはできません。それでも、なんとか気功の素晴らしさを知ってもらおうと思って、そのエッセンスだけでも少し書こうと思います。

 今回は総論です。まず、気功とはなんぞや?というところですが、実はこれだけでも一回分にまとめることは不可能です。

 気功を語るにはまず「気」という概念から説明しなければなりません。「気」は目に見えるものでもありませんし、いまだ科学的にとらえることができるまでに科学が追いついていません。むしろ、科学で解明し説明するというよりも「気」は個人個人が感じ、体験するものだと思います。ですから、難しい説明はここでは省略して、「気」とは生きるための「エネルギー」とでも考えておいてください。

 ではその「気」をどうやって感じるかというお話です。

 気功は「調身・調息・調心」といって、身と息と心を調える練功ですが、身(=からだ)と心のつながりをとても大切にします。そしてそのふたつを橋渡しするのが息(=呼吸)であり、息を調えることによってカラダと心の状態を調整をするわけです。

 私はこれを「聴身・聴息・聴心」と置き換えて読んでいます。つまり、気功は、自分のカラダと息と心に耳を澄まし、聴くことから始まると考えます。このなかで、カラダあるいは心に耳を澄ますというのは、言葉では簡単に言えますが、実際やってみると難しいものです。ですから、まずは自分の息を聴いてみることから始めるとよいと思います。

 普段意識することが少ない自分の呼吸を静かに聴いてみるといろんな発見があると思います。皆オギャーと生まれて以来、休みなく無意識に呼吸をしているわけですが、そんな当たり前のことを改めて意識化すると、生きているという実感が湧いてくると思います。

 それは生きているというよりも生かされているという感覚の方が近いかもしれません。自発的にしている呼吸、忘れていても自然に呼吸を続けられる力。そのあたりを実感できると、そのエネルギーに気づくと思います。その命のエネルギーこそが「気」なのだと思います。

 息を感じることが「気」に近づくもっとも近道のような気がします。

 ところで、われわれ現代人は昔に比べてカラダよりも頭を中心に生きているんじゃないでしょうか?

 科学技術が進歩して、様々なものが便利になり簡単になりました。それに伴って私たちの生活も大きく変化しました。そんな中で変わらないものは「カラダ」です。そりゃあ昔に比べると日本人も手足が長くなってとてもスマートになったり、逆に食事の変化でメタボな人が増えたり見かけはかなり変わったかもしれません。

 しかし、基本的なカラダの構造や機能自体は大きく変わることはありません。よく歩きカラダを動かした昔と比べて増えたのは、運動不足や食生活の片寄りからくる生活習慣病といわれる病気です。カラダのことを省みるのは、痛みや苦しさなど、カラダが耐えきれずに悲鳴を上げたときだけです。それほど現代人は忙しいとも言えますが、忙しさは自らが作り出しているのではないでしょうか。こんなに便利になったにもかかわらず、忙しいことを理由にカラダを振り返らないでいると、そりゃあカラダだって反乱を起こします。

「いや私はいつもカラダのことを考えている」とおっしゃるかもしれませんが、その”考えている”が問題なのです。「考えること」がすでに頭中心なのです。考える前にカラダをもっと使うことが大切です。

 気功では「考えるな!感じろ!」といいます。カラダを感じることによって考えるという頭の働きが一時的にでもストップするわけです。それが働き過ぎの脳の休息につながります。一日のうち少しの時間でも頭中心の生活からカラダ中心の生活へ戻すのです。その橋渡しをするのが呼吸です。

 そのことにすでに気づいた人たちは、積極的に気功やヨガをしたりウォーキングをして、習慣的に自分のカラダと対話する時間を作っています。

 医玉整体院では毎週木曜日、気功体操教室を開催しています。いろいろ頭で考えるよりも実際にカラダを動かし、まず体験してみませんか?日常生活では味わえない感覚に出会えると思います。

 詳しくはホームページをご覧ください。